ほうれん草は11月から1月にかけてが旬の時期になりますが、栄養逃がさない調理法を実践できていますか?
茹でる時間や茹で方もレンジを活用するなど一工夫するだけで栄養分を効率的に吸収できるので、ポイントをしっかりと抑えておきたいところですね。
スーパーの売り場にも新鮮なほうれん草が並び、安いときは1袋98円という値段で買えることもありますが、えぐみや苦味の取り方も気になるところです。
アク抜きは必要なのか?生で食べれるのかについてもまとめました。
ほうれん草は茹でる時間を間違えると栄養分を失う?
ほうれん草は緑黄色野菜の中でも栄養価が高く、βカロテンやビタミンCやビタミンK・カリウム・マグネシウム・鉄分などが豊富に含まれています。
ビタミンCは水溶性で水と加熱に弱いので、ほうれん草のおひたしや和え物を作るときの下茹ででは、茹でる時間に注意することで栄養を逃がさないことが大切です。
茹で時間の目安は1分ほどで茎と葉の部位によって固さが違うので、以下のポイントをおさえて下処理を行いましょう。
1.茹でる前にほうれん草の葉や茎についた汚れを軽く洗い流しておきます。
2.熱が均一に入るよう茎の根元に十字で切れ込みを入れてください。
3.鍋に水を入れて沸騰させます。(ほうれん草1に対して水5の割合)この時、水1リットルに対し小さじ1杯の塩を加えてください。
4.ほうれん草の茎の部分をお湯に30秒間浸けます。
5.次に葉っぱごと鍋に浸けて30秒間茹でたら(均等に火が入るよう15秒経ったら上下裏返しにする)冷水に取ってさっと熱を取ります。
6.水気を絞って食べやすい大きさにカットしてください。
ほうれん草のビタミンCがすべて茹で汁の中に流れ出てしまわないように、茹でるときも水に浸けるときも長時間水にさらさないのが栄養分を多く保つ秘訣です。鍋ではなくフライパンを使ってゆでてもOKです。
ほうれん草の茹で方をレンジに変えるだけで栄養価の低下を防ぐ?
ほうれん草の栄養を逃がさない茹で方って他にないの?とお探しの方におすすめしたいのが、レンジを使った方法です。水に流れやすいビタミン類や鉄分などの栄養価の低下を防ぐと同時に、お湯を沸かして部位ごとに分けて茹でるといった手間を省けるので一石二鳥です。
ラップに包んだレンジでの茹で方
ほうれん草に付いている農薬や落としきれていない土などの汚れを水洗いしてキレイに流しておきましょう。
熱が入りやすいよう葉と茎を互い違いにラップに敷き詰めて並べ、隙間なくぴったりと包んでください。
電子レンジでの茹で方の時間の目安は、1袋あたり200gのほうれん草は600Wで約2分、半分の100gをレンジでチンする際は1分ほど温めてみてください。
茎が太くて2分で固いときは、様子を見ながらさらに20秒から30秒レンジにかけてみてください。
あらかじめボウルに水を張って用意しておき、温め終えたホウレン草をレンジから取り出したら、ラップを付けたまま水に浸し熱を取りましょう。
熱が冷めたほうれん草はさっと水にさらし水気を絞れば、あっという間に下処理の終わりです。
耐熱容器を使ったレンジでの茹で方
水洗いして汚れを落としたほうれん草を調理しやすい大きさにざく切りして耐熱容器に入れ、100gのときは塩を一つまみ、200gのときは二つまみまぶして上にラップをかけて600Wの電子レンジで1分(100gのとき)から2分(200gのとき)温めます。
温め終わったら電子レンジから耐熱容器を取り出し、ラップを外してホウレンソウに均等に熱が行き渡るようかき混ぜて熱が冷めれば完成です。
塩をまぶすことで浸透圧でほうれん草の水分が出て水にさらさずアク抜きができるので、余計な栄養を逃がす心配もいらずオススメです!
ほうれん草のアク抜きは必要?
ほうれん草をアク抜きしないで調理してはダメなのか?ちょっとラクしたいめんどくさがりの私はそう考えがちですが、そもそもアク抜きってなんで必要なのでしょうか?
ほうれん草にはシュウ酸と呼ばれるアクの成分が含まれていて、苦味やえぐみの原因となるだけでなく、摂り過ぎはカラダに害を及ぼすと言われています。
具体的には、シュウ酸が唾液中などのカルシウムと結びつきシュウ酸カルシウムとなり、カルシウムの吸収を阻害したり結石ができる要因になります。
ただ、ホウレン草のシュウ酸は水に溶けやすいといった性質があることから、えぐみや苦味の取り方としてお湯やレンジを使って茹でた後に水に浸けてアク抜きを行うことは、健康面への影響を考えると安心かつ必要と考えます。
毎日欠かさずたっぷりのほうれん草を食べているという人は多くないと思うので、あまり神経質にならなくてもいいのかなと思いますが、下茹でしてアクが取り除けるのであればやらない理由はないですよね。
茹でたり水に浸ける時間が長くなると、アクばかりか水に溶けやすいビタミンやミネラルも一緒に流れ出るため、上の茹で方で挙げたようにいかに栄養素を損なわず下処理時間を短くできるかがポイントになります。
ほうれん草は生で食べれる?
ほうれん草も品種によっては生で食べれるものも販売されています。主にサラダ用に品種改良されているため、エグミなどのアクもほぼなく茹でるなどの下ごしらえも不要なため、栄養素を丸ごと摂り込めて手軽にいただけます。
生食できる「赤茎ほうれん草」は、茎や葉脈が鮮やかな赤紫色をして目でも楽しめるほうれんそうです。苦味やクセもなく食べやすいので、サラダにすると彩りも良く食卓が華やぎますね。
赤軸ほうれんそうには、ポリフェノールの一種アントシアニンといった栄養素も含まれているので、生で食べることで効率的に栄養分を取込めるのはうれしいですね。
茹でたり炒めたりと火を通す調理にも使えますが、ゆでると赤紫色の色素が水に流れて出て栄養面を損ない、鮮やかさを失い色味が悪くなるため生食をオススメします。
水耕栽培で育てられる「サラダほうれん草」も苦みやエグミがほとんどなく、生で食べられることで有名ですね。市販のホウレンソウに比べて葉の緑色が薄く、丸っぽい葉っぱに長くて細い茎が特徴的です。
ドレッシングや具材にビタミンCを豊富に含んだレモンやオレンジなどの柑橘類を組わせることで、ほうれん草の持つ鉄分などの栄養素をさらに効率的に摂り込めます。
まとめ
ほうれん草のアクの害成分であるシュウ酸を取り除くためにアク抜きによる下ゆでが必要ですが、お湯や水にさらす時間を間違えると栄養を自ら無駄に捨てることになります。
ほうれん草をカットしてから茹でるとさらにビタミンCやカリウムなど水に溶けやすい栄養素が水分中に流れやすくなるのでカットせずにまるごとゆで、茹で時間は1分以内で行うと覚えておきましょう。
電子レンジを使った茹で方だとお湯でゆでるよりも栄養素を逃がさずに摂り込め、塩を振るだけでカンタンにアク抜きもでき時短調理にもなるので、ぜひ活用してくださいね。
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