くわいのおせちの由来を知っていますか?旬の時期が11月から1月頃までと流通する季節が冬限定のため、正月料理でしかいただく機会のない珍しい野菜ですよね。
下処理で皮むきしなければ調理できないのか?栄養価やカロリーに日持ちはどのくらいするのかについてまとめました。
くわいのおせちの由来は?
くわい(慈姑)はおせちの時期でしかお目にかかる機会のない高級食材ですが、球根のような形から芽がニョキっと飛び出しているのが印象的ですよね。
くわいの「芽が出る」様から「目出度い」とかけられ正月料理の縁起物として扱われたり、芽がまっすぐ上に上っている様から「立身出世」への願いや意味が込められています。
名前の由来は、見た目が鍬を連想させることから「鍬芋(クワイモ)」が転じてくわいになったそうです。
元をたどれば、くわいは中国で野生種から改良されたもので、国内に出回っているほとんどが「青くわい」という品種で、埼玉県や広島県が主な栽培地となります。青慈姑は程よい苦味を持ち、柔らかい肉質で煮るとホクホク感が出ることから、「畑の栗」とも称されます。
おせちの時期しか流通しない希少な縁起食材ですので、ハレの日には願いを込めつつ味わっておきたい食材のひとつですね。
くわいの下ごしらえはどうやってやるの?
くわいを丸ごと素揚げするときは皮をむくなど下処理の必要はありませんが、煮物として調理する際はあく抜きの下ごしらえをしておく必要があります。
サッと水洗いしたら底を薄く切り落として土台を作り、芽を残すようにお尻側から上に向かってくわいの皮を六方むき又は八方剥き(六角形・八角形とイメージ)します。
皮をむいたクワイは、1時間ほど水に浸けてさらしておきます。お米のとぎ汁もしくは小麦粉を入れた水を沸騰させ10分程度下茹ですれば、くわい特有のえぐみもまろやかになるので味を入れていきましょう。
小麦粉を使って灰汁抜きするときは、水500mlに小さじ1杯の小麦粉を目安に入れてくださいね。
煮含めるときにくちなしの実を入れると、くわいがゴールド色に色付いて見た目も華やかになります。栗きんとんを作るときにも使用する材料ですので、おせち作りの際に活用してみてはいかがでしょうか?
くわいの栄養価
くわいの栄養価には、炭水化物をはじめタンパク質やカリウム・リン・ビタミンE・亜鉛・銅・葉酸・食物繊維などが含まれています。
デンプン質の多いサツマイモや里芋などのいも類と比較すると、たんぱく質が4~5倍と野菜の割に豊富なのが特徴です。
100gあたりのカロリーは126kcal・糖質は24.2gと高めです。1個(16gで換算)だと20kcal・約3.9gになります。
ジャガイモや山芋などと比べてもくわいは高カロリー高糖質の野菜にはなりますが、その分ミネラル類やたんぱく質などが豊富で食べられる機会が限られているので、食べ過ぎを心配することはないと思います。
ただ、くわいの栄養素であるリンには、たくさん摂りすぎるとカルシウムの吸収を阻害する作用があります。
小松菜やモロヘイヤ・チンゲン菜・ワカサギ・鮎・シシャモ・イワシの丸干し・しらす干し・牛乳などカルシウムを多く含む食品と一緒に摂るときはたくさん摂り過ぎないように気をつけたいところですね。
くわいの日持ちはどのくらい?
くわいは、常温・冷蔵・冷凍でどのくらい日持ちするのでしょうか?
保存方法 | 保存期間 |
---|---|
常温 | 約14日 |
冷蔵庫 | 約14日 |
冷凍庫 | 約30日 |
くわいは乾燥を嫌うため、常温や冷蔵庫で保存するときは大き目のタッパやボウルに水を張って、その中に慈姑を浸けて涼しい場所や冷蔵庫の野菜室で保管します。水を3日に1度入れ替えることで、約14日ほど日持ちさせることができます。
常温の保存期間は、室温が15度を超えないことが条件ですので、室内環境が整わないときは冷蔵庫で保存するようにしましょう。
冷凍保存するときは、くわいの皮をむいて茹でてアク抜きをする下ごしらえをしてから、ジップロックなどに重ならないように並べ入れて保管します。下処理をしておけば、解凍の手間も省けて煮しめなどでそのまま調理ができるのでラクチンですよね。
冷凍が一番長く持たせることができますが、日に日に風味や食感が落ちてくるので、保存期間はあくまでも目安と留め早めに消費するよう心がけましょう。
まとめ
おせちのくわいには、出世祈願や新年の縁起物としての意味が込められていることがわかりました。
煮つけなどの料理では、下処理としてえぐみを抜くのに皮を六方に剥いたら小一時間ほど水にさらし、米のとぎ汁などで10分ほど下ゆでしてから味付けしていきましょう。素揚げする場合は、めんどうな下ごしらえは不要です。
くわいは野菜の中でもタンパク質が豊富で、カリウムや亜鉛などのミネラル類の栄養素もたっぷり含んでいます。
エネルギー量や糖質量はサツマイモとほぼ変わらず高めではありますが、正月以外で食べることも少ないと思うので、そこまで心配することもないのかなと考えます。
慈姑は水中で育つ植物で乾燥に弱いため、常温・冷蔵保存の際は水に浸かっている環境を作ることで日持ちさせることが可能です。冷凍するときは、アク抜き処理を行ってから保存することを忘れないでください。
年末年始にしか見かけない食材ですので、見つけたらコロッケやハンバーグ・炊き込みご飯・チップスなどにアレンジして楽しんでくださいね。
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