金柑の旬の時期がいつかご存知ですか?見た目はみかんの小さい版で宮崎県のブランド品種「たまたま」などが人気ですが、口にする機会が少ない人のほうがまだまだ多い果物といった印象です。
栄養豊富で食べられる季節が限られている美味しい金柑の選び方や、食べ方は生のまま皮ごといけるのか?保存は常温・冷蔵・冷凍でどのくらい日持ちがするのかについてまとめました。
金柑の特徴や旬はいつ?
金柑は食用と観賞用の2つに分かれ、私たちがふだんスーパーなどで購入して口にしている食用きんかんは、ミカンと違い皮ごと食べられ酸味と甘さの中にほろ苦さも感じられるのが特徴です。
金柑は中国原産で江戸時代に静岡県に持ち込まれた種から広まり、産地では宮崎県が約7割の生産量を誇り次いで鹿児島県が2割強と、温暖な気候条件がそろう九州で栽培されたモノが市場を占めています。
ルックスはみかんに似ているため柑橘類として扱われる金柑ですが、きんかん属でありかんきつ属ではないため厳密にはミカンとは異なります。
金柑は1年中手に入るみかんとちがい味わえる期間が限られています。温室栽培のキンカンが11月から流通し、その後露地栽培やハウス栽培モノが3月ごろまで楽しめます。なかでも美味しくいただける旬の時期は1月~3月の間で、もっともスーパーに出回るのは2月になります。
金柑の選び方や美味しい品種は?
スーパーや八百屋などで金柑を購入するときの選び方は、以下の点に注意して美味しいきんかんを手に入れましょう。
・皮に青い部分がなく全体的に濃いオレンジ色
・皮が艶やかでパンと張っている
・ヘタがあざやかな緑色
・果実が大きく手にしたときに中身が詰まった重量感がある
金柑はパック入りで売られていますが中や裏側も良く確認し、カビが生えたモノなどが混ざっていないかチェックしましょう。
皮が青いものは熟しきっていないため酸味が強く甘みが弱いので、濃い橙色に色づいた皮にキズのない艶のあるフレッシュなきんかんを選んでください。
ヘタが茶色いものは鮮度が落ちてきている証拠です。瑞々しい緑色かを確認し、重さはパック入りですと1個1個の重量は確認できませんが、手で持ったときにより重さを感じるほうを購入しましょう。
金柑には育てやすく果実が大きめで甘くて美味しい「寧波きんかん(別名ニンポウキンカン)」や果実の小さい「マルキンカン」・種の少ない「ナガキンカン」・種無しでほど良い苦味が食べやすい「プチマル」などいくつかの品種が存在します。
美味しい金柑で有名な宮崎産の「たまたま」や「たまたまエクセレント」・鹿児島の「春姫」は、寧波キンカンを完熟させたブランド名になります。静岡の「こんた」は、ニンポウキンカンの枝変わりによって生まれたブランド金柑です。
スーパーで販売されている金柑のほとんどがネイハキンカンで、ブランド完熟金柑は主に高級スーパーや百貨店・ネット通販などで扱われています。
金柑はそのまま食べるのがいい?
金柑を食べ慣れていない方は食べ方に迷うかもしれませんが、皮をむかずに生でそのまま食べるのがオススメです。
金柑の皮には、ガン抑制や血中コレステロール値や血流改善・毛細血管を強くする効果のあるヘスペリジン(ビタミンP)や気管支を拡げてせき止めやカゼを防ぐ効果のあるシネフリンのほか、カルシウムやビタミンEなどの栄養成分を豊富に含みます。
甘露煮やはちみつ漬けやシロップ漬け・コンフィチュール・ジャムなど加熱するレシピも人気ですが、金柑に豊富に含まれるビタミンCは熱に弱いため、栄養素を効率よく摂取するには生で食べるのがオススメです。
水で洗ってヘタを取って丸ごと食べるのもいいですが、輪切りにして種を除いて春菊やかぶとサラダにしても美味しいです。金柑自体に甘みもあるので、ドレッシングを手作りするのに甘味代わりにもなります。
オリーブオイルとブラックペッパーと岩塩とバルサミコ酢かアップルサイダービネガーで作ったドレッシングをかけると美味です。もちろん市販のドレッシングでもOKです。
鯛のカルパッチョとの相性も抜群です。きんかんのほど良い苦味と酸味が鯛の身の甘さをより引き立ててくれます。フルーティーな味わいで彩りも華やかになりますね。
空気の乾燥やエアコンの暖房で喉を傷めやすくかぜを引きやすいこの時期は、金柑を積極的に取り入れることをオススメします。
金柑の日持ちは常温・冷蔵庫・冷凍保存でどれくらい?
金柑は暖房の入っていない涼しい場所なら、常温保存で約7日間日持ちします。常温に置く場合は、パック入りのきんかんは中身をザルなどに出して、重ならないように並べておきましょう。
冷蔵庫保存の場合は、冷気で乾燥して劣化するのを防ぐため、パックから密閉袋に金柑を移し替えて野菜室に入れることで、約14日間ほど保存が効きます。甘露煮の冷蔵保存期間も同様です。
さらに長持ちさせたいときは冷凍保存がオススメです。水洗いをしたらしっかりと水気を取り、金柑のヘタを取って半分に切り中の種を取り出します。ラップに小分けにして包み、ジップロックに入れて冷凍庫で保存します。保存期間は約30日です。
冷凍保存では生のようなフレッシュさは失われてしまいます。食べるときは常温で10分ほど半解凍してアイスシャーベットでいただくか、甘露煮やジャム作りに活用してください。
まとめ
金柑は皮ごと食べられる手軽さが売りのフルーツで、スーパーで購入できるのは11月~3月ごろまでで、もっとも美味しくいただける旬の時期は1月から3月になります。
ヘタが緑色で皮にツヤとハリがあり、全体的にオレンジ色が均一の色づきのよいもの、重みのあるものが中身の詰まった美味しい金柑になります。
宮崎のたまたまや鹿児島の春姫・静岡のこう太が人気ブランド金柑になりますが、スーパーで扱う店舗は多くなく、主な入手先はデパートやネット通販になります。
金柑に含まれるビタミンCは熱に強くないので、できるだけ生でいたくのがベストです。サラダや肉・魚の添え物にも合いますよ。
保存は、室温の高くない場所であれば常温で約1週間、冷蔵庫保存で約2週間、冷凍保存では約1ヵ月日持ちします。
せき止めやカゼを防ぐなど嬉しい効果に期待の持てる栄養素がたっぷり含まれていますので、これからの季節にぜひ金柑を取り入れてくださいね!
コメント