黒豆に込められた正月の意味や由来、知っていますか?我が家ではおせち以外で食べる機会は少なく、たまに十六穀米に入っているモノを食べるか、頂き物の黒豆大福や抹茶のパウンドケーキ・マフィンで食べるくらいです。
煮るときに重曹を入れるのはなぜなのか?カロリーや糖質はどのくらいなのか?保存期間や日持ちはどのくらいするのかについてまとめました。
黒豆の正月の由来は?
黒豆はおせちに必ず入っている正月の祝い肴三種の一つですが、由来についてご存知ですか?
いろいろな説がありますが、豆(マメ)には元気や健康といった意味があることから、「まめに働く」「まめに生活する」ことを願って食べられてきました。
黒豆の煮方にも違いがあり、関東地方はあえて皮にシワが入るように煮ることで「しわができるほど年を重ねても元気であり続けられるように」との想いが込められています。一方、関西のほうではシワがないことこそ元気の証から、パンと皮の張ったふっくらお豆に仕上げられます。
時代の流れとともに、最近のおせちでも皮が破れたりしわの寄っていないぷっくり艶々とした黒豆が主流になっています。時代に合った解釈の変化も見て取れるのはおもしろいですよね。
カラダが資本で何はともあれ健康第一が基本ですので、「無病息災」や「不老長寿」の想いが込められた黒豆は、お正月の縁起物として欠かせない存在なのは納得がいきます。
黒豆を煮るときに重曹を入れるのはなぜ?
重曹で煮ることによって黒豆に含まれるたんぱく質が分解され、やわらかく仕上がると同時に灰汁を抜いて美味しくなります。
家でおせち用に黒豆を手作りしてみると、市販品のようにうまく仕上げられず皮が破れたりつやがでなかったりで失敗して、あきらめて市販のものを買うという方も少なくありません。
市販のおせちに入っている黒豆って皮の寄れがなくてピカピカと表面が光っていてキレイですもんね。
重曹やサビ釘(艶だし)を入れて煮るのが基本的な黒豆の作り方とされていますが、重曹なしで作れないのかといえばそんなことはありません。
重曹をいれずに黒豆のシワを作らずふっくら炊き上げるには、煮汁が減って黒豆の顔がひょっこり除いて冷気にさらされることのないよう常に煮汁に浸かっている状態にすることです!
一番の対策は、クッキングシートなどを使った落し蓋をして黒豆を煮ることです。これなら空気に触れないで煮汁のお風呂に浸かった状態にしておけますね。
重曹の代わりになるものもないけど黒豆がやわらかく煮あがるかどうか心配なときは、圧力鍋や炊飯器を使えば時短でおせち料理を仕上げることができますね。
クギもなければ無理にいれる必要はありませんが、艶々に仕上げたければ鉄玉子などを利用するのもおすすめです。
黒豆のカロリーや糖質はどれくらい?
黒豆100gと1粒(2gで換算)あたりのカロリー・糖質は以下のとおりです。
g/粒 | カロリー | 糖質 |
---|---|---|
100g | 414kcal | 14.8g |
1粒 | 8.3kcal | 0.3g |
そのほかの豆類では、大豆が417kcal・16.7g、小豆が343kcal・34.8g、ひよこ豆が374kcal・45.2g、レンズ豆が353kcal・66.3gとなっており、黒豆は高カロリーながらも低糖質な豆だということがわかります。
おせちの黒豆煮のカロリーは100g中245kcalと乾燥状態よりは低くなりますが、調味料で砂糖などが加わるので糖質量は45gと跳ね上がります。
1人で100g食べることは少なく、食べてもせいぜい30gから40gほどだと思うので、そこまで神経質になる必要はないと思います。
黒豆には、食物繊維やタンパク質・カリウム・カルシウム・マグネシウム・鉄・銅・ビタミンE・ビタミンKなどの栄養成分が豊富です。また、皮にはポリフェノールのアントシアニンもたっぷりですので、お正月だけではなく日常的に取りいれたい食材です。
黒豆の日持ちは?おせちで保存期間を延ばすには
おせち用に手作りした黒豆の煮豆の日持ちは、常温・冷蔵・冷凍でどのくらい持つでしょうか?
保存方法 | 保存期間 |
---|---|
常温 | 約7日(条件付き) |
冷蔵庫 | 約7日 |
冷凍庫 | 約30日 |
常温で保存するときは、部屋の温度を10℃以下に保てるという限定付き条件が当てはまる場合の日数になります。室温が10℃を超えるような場所ではすぐに傷んでしまうので、すぐに食べない場合は常温で置くのは避けたほうが賢明です。
冷蔵保存のときは、黒豆よりも煮汁のほうが多くなるように注いで密閉容器で保管してください。煮汁が少なすぎると、乾燥して黒豆の皮がしわしわになったり固くなる原因となるので、気をつけてくださいね。
冷凍庫に入れるときも、煮汁ごと密封できる容器に食べる分だけ小分けにして保存しておくと便利です。煮汁をぜんざいやプリン・ゼリー・パンケーキやマフィンなどに再利用するときは、黒豆と分けて保存することも可能です。食べるときは、寝る前に冷蔵庫に移し替えて自然解凍するだけでOKです。
冷蔵庫での保存期間をもう少し延ばしたいというときは、レシピの量より多めに砂糖を使用することで2週間程度まで日持ちさせることもできます。その分、糖質量もアップしてしまうといったデメリットもあるため、各自で判断されてください。
まとめ
おせちの黒豆のいわれには、厄除けや健康への願いが込められていることがわかりました。
重曹やクギをいれて煮るのは、アクを取って皮にシワが寄らずに艶のあるキレイな色に仕上げる為の昔ながらの知恵です。寄れて皮がハジけることのないよう重曹なしでも仕上げるコツは、クッキングシートなどで落としぶたをして黒豆が煮汁に浸かった状態を保ってあげることです。
鉄分やビタミン・ミネラルなど栄養素の宝庫の黒豆は、正月だけではなく日々の食卓にも摂り入れたいですね。
たくさん作り過ぎたときは、冷蔵庫か冷凍庫で煮汁を切らずに一緒に保存することで日持ちさせることが可能です。余った煮汁はスイーツレシピに活用できますので、思い思いにリメイクして楽しんでくださいね。
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